先日、PIVOTの視聴者だという20代の話を聞いて「なるほど」と思った。
「PIVOTのサッカー解説番組『PIVOT FOOTBALL』が面白い。同じ映像を3回ぐらい見たことがあります」
私が感謝を伝えると、大学生はこう付け加えた。
「サッカーの試合はライブで1回しか見ませんが、PIVOT FOOTBALLはなぜか何度も見ちゃうんですね」
https://www.youtube.com/playlist?list=PL-edxQ__zW_Xo_CIUNi4TwobVcassN3pp
サッカーなどのスポーツの試合は、多くの人にとって「1回」見るものだ。もちろん歴史に残る試合や思い出のゲームは録画をして何度も見る人はいるだろう。ただ、結果が既に分かっている試合のコンテンツとしての魅力は半減する。
一方、試合を「解説する」コンテンツは長持ちする。2回目に見たときのほうが面白いときだってある。PIVOT FOOTBALLはこれまでシリーズ計49本の動画を配信して、合計1000万回以上再生された。この番組に出ている、サッカー戦術分析YouTuberのレオザフットボール氏やスポーツライターの木崎伸也氏の海外サッカー解説を何度も見返しているという視聴者も少なくない。
一般のファンたちもYouTubeやTikTok上でサッカーの試合や好きな映画について解説を始めている。米国Google社はこうした新しいタイプの視聴者を「プロフェッショナル・ファン」と名付けた(※1)。単なる熱狂的なファンというより、その解説が立派なコンテンツになってしまう「プロのファン」のことだ。
https://docs.google.com/presentation/d/13c_dqAJjK_93_zy8sq7nmaKNfGmKfrdjoDnv91lHhcw/edit?usp=sharing
サッカーの試合は原則90分で終わる。YouTubeで試合について解説する動画は試合の後に何本も出てくる。賞味期限が長い。Google社がプロフェッショナル・ファンについて分析したレポートによると、Z世代の60%は、映画やテレビを見た直後に、YouTubeで解説動画などを探した経験があるのだという。
映画そのものより解説動画のほうが見られる時代なのかもしれない。
スポーツのみならず経済やビジネス、政治の「解説者」とは面白い存在である。サッカーの試合に出場している「当事者」ではないが、サッカーの試合を一度も見たことがない「無関心層」でもない。ファンとも少し違う。当事者の気持ちも分かるし、専門的な知識も持っている。一方で、当事者が言えないこともズバズバ言う。しがらみや忖度も働かない。「プロフェッショナル・ファン」という言葉がしっくり来る。
PIVOTはサービスを開始して2年のスタートアップである。経営、人事、社内文化づくり、採用、労務、プロダクト作り。会社をゼロから作る課題と向き合う。新卒で新聞社やテレビ局に就職して、多くの社員が終身雇用的に働いているメディアとも違う。PIVOT全社員が転職経験者だ。
私は、日本社会に変化を起こそうとしている経営者やビジネスパーソンをインタビューするとき、「その気持ちが分かる!」と毎回思う。一方でPIVOTは「メディア」の顔も持っている。相手の気持ちが分かりつつ、あえて厳しい質問も投げかける。内輪っぽいポッドキャストのような雰囲気は作らない。私はあえて「プロフェッショナル・ファン」的な立場も使っているのかもしれない。
世の中の現象<解説。
「解説」が価値を持つ面白い時代だ。これまでPIVOTでは200社以上の方々とタイアップ広告を作らせていただいた。クライアント企業の経営者や社員の方も出ていただく。そこにPIVOTのMCという、業界の当事者でも消費者でもない「解説者」が加わることで、コンテンツに深みを持たせたいと考えている。今後はクライアント企業の顧客である「プロフェッショナル・ファン」とも共演してみたい。
クライアント企業のプロダクトやサービスを厳しく、面白く解説するコンテンツ。新しいタイプの動画マーケティング・PRは、旧来型の消費者を超えたプロフェッショナル・ファンとともに進化していくだろう。
Sources:
※1 New trend: Long attention spans for long-form videos(Think with Google)