時価総額2兆円「産業ガス」トップサプライヤーの “見えない価値”を従業員・家族・求職者に届ける
日本酸素ホールディングス株式会社
財務・経理室
広報部 広報課/IR部 IR課
石本博正さん
(2025年10月取材、文中敬称略)
――日本酸素ホールディングスは従業員数約2万人、時価総額2兆円の大企業ですが、どういった悩みがあってPIVOTにご出稿いただいたのでしょうか
石本 日本酸素ホールディングス(以下 日本酸素HD)は「The Gas Professionals」をグループのタグラインに掲げ、30を超える国と地域で事業を展開する世界4位の産業ガスサプライヤーです。空気を原料に酸素・窒素・アルゴンを製造・供給するほか、BtoC向けにはサーモスブランドでステンレス製魔法びんの製造・販売を行っています。ビジネス的に参入障壁も高く、土台は確立されているのですが、企業規模と比べて認知度の低さを課題に感じていました。

自社のYouTubeチャンネルもあるのですがなかなか見てもらえません。そこでBtoBコミュニケーションに強いメディアとしてPIVOTが一番に思い浮かび、ホームページから直接問い合わせをさせていただきました。
実は私自身PIVOTを日頃から視聴しており、ビジネスファーストなメディアという印象と、登録者数の伸び、勢いを見てきました。日本酸素HDの認知や社員のエンゲージメント向上、目には見えない価値を伝えたいと考えた時に、PIVOTならうまく言語化していただけるのではと思い、お声がけをさせていただきました。

――石本さんが自ら起案〜発注されたとのことですが、社内稟議はどのように通していったのですか
石本 日本酸素HDやサーモスでは新聞広告やテレビCMも行っていますが、IR部・広報部として新たな取り組みを模索する中、「前例踏襲型の議論はやめよう」という強い思いを持っていました。特に若年層に認知を広げるためには、近年影響力が高まっているWebやYouTubeなども活用しながら、様々なメディアでプレゼンスを上げていきたいという意向がありました。PIVOTは登録者数、出稿企業数、視聴保証など数値的なエビデンスが多く、稟議書も書きやすかったです。
BtoB企業は特に学生の就職活動で第一想起されづらいのですが、産業ガスは専門的な業界で、文系・理系両方の知識が必要です。この動画を多くの学生にも見ていただくことで、若年層の採用、また未来への投資に繋がればと思っています。

――実際に社内外での反響はいかがでしたか
石本 動画のコメント欄にもあるように、従業員のご家族の方から「この動画を見て、仕事内容がよくわかりました。子どもと一緒に動画を見ています」という声がありました。日本酸素HDのビジネスは目に見えないモノを提供しているので、どうしても伝わりづらいのが課題です。この動画を通じて「社会に貢献している企業」ということが従業員のご家族にも伝わったのはうれしかったです。
社内ポータルでもYouTubeのURLを共有したのですが、多くの社員から「動画を見た、とても良かった」と声をかけられました。また「私たちの部署の話も紹介されてうれしかった」といった反応もあり、良い印象を持ってもらえたと感じています。
また動画はいくつかの事業所や工場でも放映させていただいています。別の事業所からも「ぜひ放映したい」という問い合わせもありました。採用活動への効果についてはこれからになりますが、動画の活用・認知が進み、ポジティブな声が増えてくるといいなと思っています。

――収録や制作について、強く印象に残っていることはございますか
石本 社長の濱田はメディアに出ることに慣れているので心配はしていませんでした。ネガティブなコメントもなく、ポジティブに受け止めてもらっていると思います。ゲスト有識者の入山章栄先生、MCの磯貝初奈さんの起用は制作段階でご提案をいただき決定しました。当日はPIVOTらしく台本を固めずに、アドリブ多めの進行。入山先生には収録中、社名変更の可能性を聞かれ「ドキッ」としました。

実は収録時には発表前で明言できなかったのですが、2026年4月にこれまで異なる名称で事業を展開していた日本・米国・欧州において、商号を変更することになりました。それぞれ「Nippon Sanso」と付く社名に変え、ブランド統一を図っていきます。ビジネス感度の高いアカデミアならではの視点だなと驚きました。
MCの磯貝初奈さんは東京大学工学部出身だそうで、ご自身の就職活動時の経験として、「正直社名を知らなかった」とコメントをいただきました。自然なトーンで正直に話してもらえたことで、当社の抱える課題感が浮き彫りとなり、自然なリアクションを引き出していただけたと思います。
制作工程についてはレスポンスが早く、とても助かりました。予定していたスケジュール通りに進み、進行に不安はありませんでした。私たちの今後の業務においても参考になりました。
――最後に、今後のPIVOTへの期待を教えてください
石本 日本には素晴らしい技術や歴史を持つBtoB企業が多くあるにもかかわらず、まだ光を当てられていないケースがほとんどのように感じます。PIVOTの企画力・提案力でそうした企業を取り上げることで、日本全体が盛り上がるのではないでしょうか。私たちの会社が持つ技術力、その価値をストーリーとして語ることで、結果として日本の経済も活性化していくのではないかと強く思います。
